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国際コミュニケーション学科2015年卒業 株式会社ホライゾンズ 取締役総監督
胡 智偉さん【台湾出身】

たくさんの人と出会い、
導かれて今の私があります

国際コミュニケーション学科2015年卒業 株式会社ホライゾンズ 取締役総監督 胡 智偉さん【台湾出身】
――なぜ、日本に留学しようと思ったのですか?
きっかけは野球です。日本のプロ野球は台湾でも人気で、私も大ファンでした。
大学卒業後は日本語の勉強をしたり、試合観戦のために日本を訪れたりもしました。やがて日本で働きたいと思うようになり、5年間、台湾のヤマト運輸でセールスドライバーをしながら資金を貯めました。
来日したのは2010年、28歳のときです。日本語学校に1年通い、ワーキング・ホリデー制度を利用して働きました。
その後、本格的に日本で就職しようと考え、TERA外語ビジネス学院、エール学園へと進みました。
――エール学園での学生生活はどうでしたか?
 積極的にイベントやボランティアに参加しました。大阪マラソンのサポートをしたこと、浪速区長から賞をいただいたこと、たくさんの思い出があります。掲示板に、参加者募集の情報を見つけるとすぐに立候補しましたね。だんだん先生も、「参加しますか?」と直接私に聞いてくれるようになりました(笑)。
 勉強のほうではビジネスマナーや商業会話、貿易について学び、通訳案内士にもチャレンジ。南海電鉄でインターンシップも経験しました。
――日本に来て、苦労したことは?
就職活動です。インターンシップ先も当時は外国人の採用がほとんどなく、年齢が30を過ぎていたこともあって、なかなか就職先が決まりませんでした。書類 審査に筆記試験、面接と、日本語での試験の連続もこたえましたね。
――どのようにして、キャリアを積んだのですか?
エール学園を卒業後も、アルバイトをしながら就職活動をしていました。そんな中、インターンの際にお世話になった方との再会から南海電鉄に就職することができました。ちょうどインバウンド事業を拡大するタイミングだったんです。5年の契約で、翻訳や台湾の旅行会社の契約業務、旅行博覧会出展業務など、多くの経験をさせていただきました。契約期間が終わってからも提携先の会社で働くことができ、引き続き業務を続けることができました。
 現在はエール学園から歩いてすぐの場所で、「株式会社ホライゾンズ」という会社を経営しています。主な事業は日本の鉄道車両・部品の台湾への輸出と、台湾の鉄道模型の日本での販売。「日本で鉄道関係のビジネスをしたい」という台湾の方との出会いからスタートしたプロジェクトです。ちょうど立ち上がったところで、日々がんばっています。
――今後、やりたいと思っていることはありますか?
まずは会社を大きくすることです。加えて、日本の「地方」の魅力を多くの人に届けるビジネスをしたいと思っています。私は「国内旅行取扱責任者」「総合旅行取扱責任者」の資格を持っているので、それを生かして「地方創生」や「地域活性」に役立てたらいいなと思っています。
 実は先日、筆の都として有名な広島県熊野町で、現在ほとんど使われていない施設の利活用に関するアイデア募集があり、私の案が優秀賞を頂きました。これまで新型コロナの影響で、なかなか現地に行けなかったんですが、まん延防止措置が解除された先週末、家族で訪れることができ、伝統文化と豊かな自然を満喫しました。これからも、日本のいろんな場所を旅行してみたいと思っています。
――日本で暮らすようになって、仕事以外ではどんな変化がありましたか?
 一番大きな出来事は、結婚して長女が生まれたことでしょうか。南海電鉄に勤めている頃です。妻も台湾出身で、日本語が苦手だったので、出産のときは病院の手続きなどで大変でした。「子どもが急に熱を出した」と妻から連絡があり、途中で退社させてもらって、病院に連れ行ったこともありました。
  これまでを振り返ってみると、学校の方々、職場の方々、友人たち、いろんな人たちのサポートがあって、今の私があるんだなと実感します。みなさんに感謝ですね。